研究所では毎週金曜日にセミナーがある。
ドクター以下の学生に年1回回ってくる報告会のようなもの。
先日最後の金曜日であったので、セミナーで発表予定であったが、サイレントでなくなる。
さすがである。最近はこの程度では驚かなくなってきた。
2週間前に行う予定であった実験もなんだかんだ理由がつき延期に延期を重ねる。
プロトコルやマニュアルをもらえれば一人で実験をやると打診をするが、研究所の厳格なルールに阻まれる。
こうなると自分の努力でどうにかなる問題ではないので難しいことは考えないこととする。
残っている実験は最終週に行う”予定”である。
留学の目的の一つは井の中の蛙にならぬよう、文化や常識の違いを経験することであるので、
その目的は十分に達成されているように思う。
さて今週末、実は最後の週末である。
今回はポルトガルの水の都、アヴェイロへ向かう。
行きはこれまで大変お世話になったRede expressos。
アヴェイロまでは1時間半ほどで到着。これまで長い移動が多かったのでとても近く感じる。
アヴェイロ駅にはアズレージョで飾られた旧駅舎を見ることができる。
ポルトガルでは教会や駅などいたるところが青く鮮やかなアズレージョで飾られている。
駅から続く一本道を行くと、アヴェイロで有名な運河が見えてくる。
かつて運河を行き来していた「モリセイロ」という船に乗って運河を回ることができる、が、
船酔いの予感がして、モリセイロの後を追い、運河沿いを自分の足で歩くこととした。
アヴェイロの町はカラフルで美しい。
運河もきれい。
運河に沿って海岸のほうへ歩いていくと塩田を見ることができる。
大西洋の海水と潟の淡水が混ざり合う汽水地域が広がり、昔から塩の生産で有名だそう。
今日はもう一つ行きたいところがあるのでアヴェイロはこの辺で。
帰り道もきれいな運河を眺めながら。
アヴェイロからは電車でポルトに向かう。
構内から見る駅舎もきれい。
ポルトまでは1時間ほど、海岸沿いの美しい景色を楽しみながら電車に揺られる。
ポルトの中心駅までは乗らずに2駅手前でおり、ドン・ルイス1世橋を下から眺められるところへ。
美しい。
お昼時も過ぎてしまいおなかがすいて耐えれなかったので、橋が見えるレストランで食事とする。
良い感じ、お昼明けなので人も少なめ。
おなかを満たし、ドン・ルイス1世橋を上から眺める。
やはり何度見てもよい景色である。
最後にドン・ルイス1世橋を歩いてポルト・サンベント駅まで。
地下鉄が真横を進む。
ギマランイス行きの電車まで少し時間があったのでカフェでエスプレッソとNata(ポルトガル料理の1つであるエッグタルト)を注文。
これまでのものよりカスタード的なものの量がとても多く美味。
店頭で作っていたので出来立てをいただくことができた。
最後にポルト・サンベント駅のきれいなアズレージョを見てこの旅は終わり。
やはりポルトは本当に良い場所である。
ポルトガルに来るまでポルトの地を知らなかったが、この景色と出会うことができよかった。
実験が終わっていないことによる心労がすごく、最後の週末であるという実感はあまりないが、
いろいろと終わり、すっきりと帰国できることを願う。
次回はおそらく飛行機編。