この留学期間中、毎週末は日帰り小旅行に行こうと思っている。
11月18日 (土) まずはパリに行く。
アミアン-パリ間の直線距離は116 km (名古屋-大阪間の約138 kmよりも短い) であり、電車では1時間強で行き来をすることができる。
雨が降っていたので外の観光地をぶらぶらするのは次の機会に回し
今日は、ケ・ブランリ美術館 (Musée du quai Branly – Jacques Chirac) という美術館に行くことにする。
家を出る。案の定雨が降っている。
ここで初めて電車の時間を確認すると、アミアン発パリ行の電車の出発時刻に間に合うか間に合わないかがかなりギリギリであることに気づく。
バスに乗り駅へ向かうか走って向かうか迷う。
結局、駅に向かって走りながら、タイミング的に乗れそうなバスを探すことにする。
走っていると運よく後ろからバスがやってきていたので、次のバス停で待機し、駅に向かうバスに乗り込む。
バスの中でパリまでのチケット (22€) を買う。
駅に着いたときには発車の約5分前であったので、乗る電車を急いで確認し、結局かなり時間ぎりぎりで電車に乗る。
乗客もあまり多くなく、静かでゆったりした雰囲気である。
結局発車予定時刻を10分以上過ぎて発車する。急がなくてよかったんかい。
1時間少々でパリ北駅に着く。
パリ北駅の前にあるPopeyesというファストフード店で朝ご飯を食べる。
2023年2月に新しくできたアメリカのハンバーガーチェーン店で、フランス第1号店らしい。
チキンバーガーを食べていたら物乞いの人になにかを話しかけられる。
何を言っているかわからなかったので、OKOKと言っていたら、「You are superman…!」と言われる。
まずい、何かを承諾してしまったぽい、、
と思っていたら横に座っていたらその人は眠り込んでしまったので、その隙に席を移動して逃げる。
食べ終わるとすぐに外に出て、パリ北駅の地下にあるメトロの駅に向かう。
駅に着く。
駅内の券売機には50人以上の大行列ができている。
日本の券売機のように機械のレスポンスが早くなくいちいち時間がかかってしまうのと、そもそもの券売機の数が圧倒的に足りていないことが原因だと思う。
渋々並んでチケットを買う。
並んでいる間はいろんな言語の会話が聞こえてきた。そして日本人の姿もちらほらあった。
ホームに向かう。
人が多くごちゃごちゃしているが、そんなに治安が悪そうではない。
しかし、歩いていると至る所でふと香ってくるしょんべん臭いにおいがめちゃくちゃいやである。
電車にのり、一度乗り換え、トータルで20分くらいで目的地の最寄りの駅に着く。
地上に上がるとすぐにエッフェル塔とセーヌ川が見える。
晴れていたらもっと人の活気があり川の上にも多くの観光船が往来しているはずだが、雨で一帯しんみりとした雰囲気である。
ここからエッフェル塔の近くまで歩いていくと、ケ・ブランリ美術館がある。
12€で入館する。25歳までは若者料金で割引されるのでありがたい。
この美術館では、西洋文明以外の文明や少数民族の文化に関わるモノが3500点ほど展示されている。
地下には32万のモノが収容されているようで、展示されているのはわずか1%ほどらしい。
中央の通路は大河を表現しておりその周辺でアフリカ・オセアニア・アジア・南北アメリカのエリアがある。
河の周囲には土手を模した椅子があり、そこに座って休憩することもできる。
展示のされ方がすごく良くて、ずっと見ていても中々飽きない。
上図のような分画された小さな部屋が数十もあり、それぞれの部屋で落ち着いて展示物を見ることができる。
大きなトーテムポールもある。
こういう木製の傷みやすい展示物は、窒素ガスで充填された部屋に2週間ほど入れておくことで昆虫や幼虫などの隠れている虫を殺してから展示されているらしい。
日本の侍や武士の甲冑も展示されている。
(人がいて写真を撮れなかった。)
ネパール?の面白い絵。
一番下の人が一番しんどいように見えて、下から2番目の人たちが一番しんどいだろうと思う。
腕の強さが異常である。
全て見終わる。
夕方になってくるとだいぶ人が増えてきたので、今後美術館を訪れる際は15時くらいまでには見終わるようにしようと思う。
この美術館に関して最後に、ケ・ブランリ美術館がオープンされる日に当時のフランス大統領が宣言したという言葉がめっちゃ良いと思ったので引用しておく。
「ケ・ブランリ美術館完成の裏側には、西洋文明が辿りついたものこそが、人類すべてが追随するべき道だという自惚れと、他の文明文化を過去の遺産と決めつけてそれを研究材料か、西洋の芸術家にインスピレーションを与える“プリミティヴ(原始的)”なものでしかないという、誤った意見を拒絶する意志が存在します。これらの偏見は廃絶されなければなりません。なぜなら、人間間に序列がないように、芸術にも序列は存在しないからです。
世界のあらゆる文化には等しく敬意が払われるべきなのです。この信念こそが、ケ・ブランリ美術館創設の原動力となりました……」
またメトロに乗ってパリ北駅まで帰る。
車内はとんでもなく混雑している。雨の土曜日だったからだろう。
パリ北駅に着く。
雨のパリもきれい。
また1時間ちょっとかけてアミアンまで帰る。
終わり。
次回の週末小旅行はベルギー・ブリュッセルに行くつもり