研究所滞在最終日まで怒涛の実験を行い、体感これまでで一番短い一週間を過ごす。
最後に研究を指導してくださったチームの方々とディスカッションを行い、
事務手続きを済ませ、3か月お世話になった研究所とお別れをする。
Rui教授は北京に出張中だそうで、直接挨拶することはできずメールでのやり取りとなる。
お忙しい方なのであろう。3カ月の研究所生活で目にしたのも数回である。
最後のバスに乗る前、寂しいという気持ちは生まれないだろうと思っていたが、最後はやはり名残惜しかった。
人柄のよい人たちに恵まれ、たくさんのよい新鮮な経験をすることができた。
本当に感謝である。
金曜日、あいにくの雨の中朝7時ごろに家を出てバスターミナルまで。
ほぼ毎日通ったこの道も最後である。感慨深い。
ギマランイスからポルト空港までバスで向かう。
この滞在中ポルト空港から様々な場所に出向いたので、
これから日本に向かうと思うととても不思議な気持ち。
ポルト空港に到着。
金曜日だからか空港は混雑している。
1時間以上バックドロップに並び、ちゃんと重量制限を2キロ以上超える。
家を出たときからそんな気はしていた。
次のフライトで気を付けてね、と言われ今回は見逃してもらう。
手荷物検査を抜けるまで思っていた以上に時間がかかったが、
最後に空港でバーガーキングに行くと決めていたので急いで買い爆速で食らう。
1本目のフライトはポルト空港からパリ・CDGまで2時間45分の旅。
CDGまではエールフランスである。
機内に入ると言語がすべてフランス語に変わりポルトガルを出国することを痛感する。
搭乗から離陸まで、なぜかわからないが5台以上の飛行機に抜かれ、
搭乗から1時間してようやく離陸。
隣の人はこわもてフランス人であったが、とても紳士的で快適なフライトを過ごす。
機内ではお昼のチキンサンドをいただく。
これまで格安航空ばかり乗っていたので、フルサービスの航空会社は新鮮。
CDGに到着するとエールフランスに混ざってJALの機体を発見する。
ポルトガルに日本からの直行便はないため、滞在中目にすることはなかったが、
これを見て日本に少しずつ近づいていることを実感する。
ここまでのフライトと、ここから先のフライトを別でとったので、
パリでの乗り換えはターミナル2から1への移動と、再度チェックインが必要である。
ターミナル2の端に到着したので預け荷物を受けとり、ターミナル2を脱出するのに1時間かかる。
ターミナル間の移動は専用のシャトルで。
シャトルに乗る前、パリ市内に向かうRERの改札もみえたが、電車が動いていないようで大量の人であふれていた。
ターミナル1に到着後アシアナ航空のチェックインカウンターに並ぶ。
ここも長蛇の列。隣のANAのレーンは自動化されていてほとんど並んでおらずうらやましい。
列には韓国人しかおらず、もうヨーロッパを抜けた不思議な気分である。
ここでは重量オーバーを無視できず、ただ、後藤君から学んだボンジュールとメルシーを駆使し、
1キロ分だけ出すことで、残り重量オーバーは許してもらう。
いざ搭乗。
2本目のフライトはCDGから韓国・仁川である。
機内に一歩踏み入れるともうここは韓国。
ヨーロッパをもう離れるんだなと少し寂しく感じながら。
CAさんは自分が日本人であるとわかったうえで韓国語で話しかけてくれる。
とても良いリスニングの練習。
なんとなく何を言っているかは理解でき、機内食や飲み物の選択を韓国語で行う。
1回目のごはんではビビンバを頼んだが数が足りずに食べられず。こればかりはしょうがない。
代わりのお肉もとてもおいしく、韓国の味付けが身に染みる。
ビビンバがなかった代わりにCAさんがお菓子をくれた。
2回目のごはん。
配膳していただいているときに、韓国語わかるのすごいですねとCAさんがほめてくれた。
とてもうれしかったのと同時に、実際は実力1割、勘9割なのでとても申し訳ない。
やはり韓国語は頑張ってマスターしよう。
ここで韓国語の学習にはやる気が出てポルトガル語の学習にやる気が出なかった理由が判明する。
韓国では日本人か韓国人かわからず、韓国語で話しかけられるので、それに答えられないのが悔しくやる気が出る。
一方、ポルトガルにいたときには必ずと言っていいほど英語で話しかけられるので、
ポルトガル語ではなく英語を頑張ろうと思うというわけである。
12時間のフライトを終え仁川空港に到着。
ここまでくるとホームグラウンドである。
しかしここで問題発生。
乗り継ぎの手続きを終え、一息ついたときにヘッドホンがないことに気づく。
忘れた場所の選択地は手荷物検査かトイレの2択であるが、トイレにはなく、インフォメーションデスクで聞くもそういった忘れ物は無いようである。
ヨーロッパに3か月いて何もなくさず、何も盗まれず来たのに、
仁川に到着した安心感で大失態である。
幸いにもスマホや財布などなくなると大変でめんどくさく、しんどいものではなかったので、この失態に伴う出費は勉強代とする。
「家に着くまでが遠足」という小学校の教えはとても大切なものであった。
さて、3本目のフライト。
最後は仁川から大阪まで1時間20分の短い旅である。
機内は韓国人だけでなく多くの日本人が搭乗している。
最後の機内食はチキンの何か。コチュジャンがついているのがさすがアシアナでありとてもうれしい。
アシアナ航空は大韓航空に近い将来吸収されるので、乗れるのは最後かもしれない。
最後のフライトも難なく終え、関空に到着。
30時間を超える長旅もここまで。
3か月間の留学を通して、とても多くの経験をさせてもらい本当に貴重な時間であった。
ポルトガルという国も行くまではほとんど知らなかったものの、とても良い場所で、ぜひまた足を運びたい。
ブログの更新もとても楽しかったがそれもここまで。
また機会があればぜひ書こうと思う。
以上。長い間お付き合いいただきありがとうございました。