今日は日曜日なのでかねてから行きたいと思っていた記念艦メークロン号(Maeklong, メクロン級スループ1番艦)を訪ねた。Grabでタクシーを呼んだが、到着したタクシーを見つけるのに四苦八苦。タクシーの運転手と電話しつつ彷徨い、ようやく見つけたときには10分程もかかっていた。その後40分程乗り、海軍基地の検問を過ぎるとすぐにメークロン号が見えて来た。
メークロン号はタイ王国が沿岸警備のために1930年代に日本に発注した軍艦で、建造は浦賀造船所が請け負った。二番艦ターチンまでが引き渡されたが、ターチンは攻撃により大破し、解体されてしまったため現存しているのはこのメークロン号だけである。当時の日本が建造したその他の軍艦は戦争で喪失したため、現在残っているのはこの艦しかない。そのため、この艦は当時の最先端の建艦技術を体感できる非常に得難い機会を与えてくれる。
駆逐艦って細身だし、ましてや沿岸警備用の海防艦だからそこまで規模感が大きい艦ではない。以前横須賀で見た三笠よりも相当貧弱である。しかし、船首から見上げるように見ると、スマートな艦影に背負い式に配された2基の12cm砲と塔型の艦橋、測距儀、檣楼がそびえ立つ様子がメチャメチャかっこいい。
乗艦すると、まずはとにかく狭いという印象を受けた。甲板の幅が小さい所に大量の艤装が施されているから余裕がほとんどなかった。後部甲板には背負い式に12cm砲が2門、魚雷発射管が片側2門、爆雷投射機、機雷敷設機、起重機といった数多くの嵩高い設備があり、それらが小スペースにきちんと収まっている様子は機能美を感じさせた。
坂口安吾が駆逐艦について『日本文化私観』で述べているように、「ただ必要なもののみが、必要な場所に置かれ」、「不要なる物はすべて除かれ、必要のみが要求する独自の形が出来上がっている」から軍艦は美しい。
「美しい」軍艦を離れ、満足して帰りのタクシーをGrabで呼んだものの見つからない。タクシーが止まっていたので運転手を呼ぼうと、側面にある電話番号にかけても私の英語発音が最悪なためガチャ切りされ、途方に暮れた。売店の人に事情を説明して、電話でタクシーを呼んでもらった。しかもタクシーが来るまでの間、売店のベンチを貸してもらうという親切も受けた。とてもありがたい。
帰りのタクシーはボロかった。しかも運転手は英語を話せない方だった。ボられるのではないかとヒヤヒヤしながら乗っていると運転手の知り合いの方?が電話越しに何か英語で話してくれた。しかし、音割れが激し過ぎて1ミリも聞き取れず、5分程言葉を交わした後、運転手に電話を戻した。ホテル近くまで行けないとのことで、途中で車を乗り換えてホテル近くまで行ってもらうことに。おつりをごまかされたが、それでチップ代わりにしてくれと伝えた。
乗り換えたタクシーでホテルをGoogleマップで見せたが分からないとのことだったので、とにかく北に行ってくれと伝えて、近くまで行ってもらった。小さいお金が無かったのでその辺の店の前で止めてもらい、金を崩してきて料金とチップがわりのジュースを渡して別れた。行きは380baht、帰りは410bahtでほとんど変わらなかったためホッとした。メーターをきちんと使ってもらったのが良かったのかもしれない。
夜はガッツリいこうと思ってカレー蕎麦を食べた。しかし、尋常じゃなく辛く、途中でギブアップ。頼むときに店員サンに適当にmediumとかいったが、アレは辛さの基準だったらしい。タイの料理は結構辛いのが多いのでmediumはヤバい。
腹がおさまらなかったので帰りにコンビニでロールケーキを買ってドカ食いし、安らかに眠った。
おまけ
乗艦中、猿軍団に襲撃されて一時退艦する羽目に。