未だ時差ボケを引きずっており、4時に目が覚める。
23.11.07 (月) 、今日から研究室が始まる。
何時に何処に行けばよいのか、ということは知らされていないので、とりあえず9時を目途に去年尋ねた場所に行くことにする。
8時、宿から500 mほどの場所にあるバス停に向かう。
バス停には15人ほどおり、待つこと数分、バスに乗る。
バスは通勤通学の人々で超満員である。
外の景色を見ながら40分ほどバスに揺られ、終着駅であるIUTに到着する。
昨年来た時のことを思い出し、もう1年も経ったのかと思う。
日本とは異なり土地が有り余っているようで、キャンパスは背の低い建物ばかり。
ほとんどが2階建てまでなので豊中キャンパスのような圧迫感はない。
写真を撮っていたら犬にほえられたのでさっさと歩きだす。
学生や職員の人に「Professor Emmanuelはどこにいるか知っているか」と聞いてみるが、ほとんど英語は通じない。
根気よく色々な人に聞いていると、ようやくEmmanuel先生を知っているという人に当たり、部屋まで案内してもらう。
扉を開けると、大きい体に反して優しそうな顔でおっとりとした語り口調が印象的である、あのEmmanuel先生が居た。
コーヒーを頂き、少しお話しする。
3か月滞在するということで、部局の他の先生のもとへとあいさつ回りに行く。
論文へのコメントをいただいたRedouan先生もいた。
Redouan先生の顔は、元バルセロナのシャビに激似である。
あいさつ回りが終わる。
予想していた通り、ラボ所属の学生は私だけなようである。
ピカルディージュールヴェルヌ大学 (UPJV) は学部生の教育を行う大学であり、卒業後進学する人は別の大学へと移っていくようである。
自分のデスクはここである。
ラボの所有機器の紹介をしてもらう。
糖鎖やポリフェノールなどの天然有機化合物の生産や分析を専門とする研究室であり、菌体の培養関連装置・分取精製装置・分析機器などが多く、見たことない分析装置もいくつかあった。
今回の研修においては、菌体の培養・糖鎖のより詳細な分析に取り組むつもりである。
早速一回目の条件で菌体の培養を行うということで、Emmanuel先生とRedouan先生二人に付き添っていただきながら実験の準備を行う。
最終的に15 Lスケールでの培養を行うということで、ペトリ皿 → 10 mL → 140 mL → 1350 mL → 15000 mLという順番で菌体を増やしていくようである。
小さいスケールで何条件もやっていくものだと思っていたので、毎条件15 Lというスケールで培養を行うということに驚く。
そしてやはり望まない菌のコンタミについては細心の注意を払う必要があるようで、オートクレーブ滅菌の際には細かいところまで指導をしていただく。
Emmanuel先生の話は、8割がフランス語訛りの英語で2割がフランス語である。
かろうじて聞こえる単語をなんとかつなぎ合わせて理解しようとする。
装置の機器説明もすべてフランス語で書かれており、Google translateのカメラ入力機能で一つ一つ翻訳しながら操作方法を学んでいく。
日本に来ている留学生の人たちは皆本当に大変な思いをしていたのだなと知る。
しかしまだフランス語であれば、アルファベットが使われているうえいくつかの単語は英語と似たスペルなのでなんちゃって発音もできるし意味の推測もできる。
そう考えると、日本に来ている留学生よりは楽な環境なのかもしれない。
母国語・英語・現地語を使いこなす留学生の人たちは本当にすごい。
結局色々実験の準備をして研究室の最初の一日が終わる。
帰り道にあるケバブ屋でケバブを買って食べる。
帰り際、ここのKebab屋さんの店主は優しい笑顔でthumbs upをしてくれる。
早速日本に居る時のようなムーブメントをしてしまう。
まだ午後8時であるが日本時間午前4時なのでめっちゃ眠い。
寝ることにする。